カラー・オブ・ハート
PLEASANTVILLE
上映時間:2時間5分
制作年:1998
制作国:アメリカ
監督:バリー・ソネンフェルド
ジャンル:ドラマ、ロマンス、ファンタジー
[STORY]
真面目だが地味な高校生デイヴィッド(トビー・マグァイア)は、50年代の理想の家庭像を描いた名作ドラマ『プレザントヴィル』の熱狂的ファン。双子の妹ジェニファー(リース・ウィザースプーン)はオタクなダサい兄とはまるで違ういまどきの女子高生。そんなある晩、離婚後ふたりの面倒をみることなく若い男との交際に熱をあげる母親が旅行で家を留守にすることに。チャンスとばかり本命のボーイフレンドを家に呼んだジェニファーだが、居間のテレビの前にはデイヴィッドが『プレザントヴィル』の再放送スペシャルを見るために陣どっている。ボーイフレンドとMTVを見たいジェニファーはデイヴィッドとチャンネル争いをするうちに、リモコンを壊してしまう。そこに突然、あやしげなテレビ修理工を名乗る老人(ドン・ノッツ)が登場。デイヴィッドが『プレザントヴィル』のファンだと知るや喜色満面となった彼は、時代遅れなリモコンを置いて去った。そのリモコンでチャンネル争いを再開したふたりは、なんと不思議なことに、気づくとテレビの『プレザントヴィル』の世界に入り込んでいた。ふたりはドラマの主人公パーカー家の母親ベティ(ジョアン・アレン)と父親ジョージ(ウィリアム・H・メイシー)の子供バッドとメアリー・スーになってしまったのだ。セックスなど決して描かれない、道徳的で画一的なドラマの世界。ダサいことこのうえないと動揺していきりたつ妹を、デイヴィッドはなだめ、元の世界に戻るためにも少してもこの世界に変化を与えてはならないとクギをさす。ところが、ジェニファーがドラマ上恋人となるバスケットボール部のキャプテンと公園の池でのデート中、セックスを迫ってしまったことがきっかけで、白黒のドラマの世界は言葉どおり色づきはじめてしまう。公園でセックスする恋人たちが増え、町のすべてが少しずつ変わりはじめる。バラは赤くなり、草は緑もえ、カラーになった人が増えていく。図書館の真っ白だった本にもたちまち文字が埋まっていくなど予想もしなかった展開にはデイヴィッドも驚くばかり。デイヴィッドの感化を真っ先に受けたバイト先のドーダショップの店長ビル(ジェフ・ダニエルズ)は、お決まりの仕事をほうり出して絵を描きはじめた。ところが、彼がデイヴィッドの“母”であるベティと恋におちてしまったあたりから、事態は暗転。町長のビッグ・ボブ(J・T・ウォルシュ)はじめ、カラーな人々に反発する保守的な白黒の人々が元の世界を取り戻すべく、行動に出たのだ。ベティの裸婦像を貼り出したビルのソーダショップは破壊され、画集や本は焼き捨てられ、白黒以外のカラーが人モノ間わず禁止された。ビルの店に集まったカラーになった人々をみて、新たな変化に心動かされた人だけが色づいていくことに気づいたデイヴィッドは一計を案じる。ビルと協力して禁止された絵画を壁一面にペインティングし、裁判に立たされたデイヴィッドは、色づくことは罪でないことをそこで大演説。はたして激怒したビッグ・ボブの顔が色づいたのをきっかけに、町一面がカラーとなった。かくして、一変した『プレザントヴィル』の世界と共に、デイヴィッドとジェニファーは新たな日々を迎えるのだった。(Movie Walker)
[CAST]
デイビッド:トビー・マグワイア
ジェニファー:リース・ウィンザースプーン
ベティ・バーカー:ジョーン・アレン
ビル・ジョンソン:ジェフ・ダニエルズ
ジョージ・バーカー:ウィリアム・H・メイシ―
テレビ修理工:ドン・ノッツ
ビッグ・ボブ:J・T・ウォルシュ
マーガレット:マーリー・シェルトン
デイヴィッドは『プレザントヴィル』の熱狂的ファン。親の離婚、うまくいかない恋愛、学校で教わる社会問題...。そんな現実から逃避できる至福のひとときが『プレザントヴィル』を見る時間。そんな自分の理想の世界であったからこそ、『プレザントヴィル』の秩序(白黒の世界)を壊したくはなかった。毎日が晴天、気温は22℃、事故も犯罪もない理想の愉快な世界『プレザントヴィル』。
しかし、デイヴィッドはジェニファーがきっかけで色づき始めた世界を見るうちに、気づく。「愉快な生活はいいけど、人にはそれ以外にいろんな要素がある。愚かさ、いやらしさ、危険さ、冷たさ。そのすべてがいつも心の中に混在している。それを認めない世界は不自然で居心地が悪い」と。
それは実世界にも当てはまる。「常識」が自然だと思い込んでしまうこと。だけどみんな心の中では変えた方がいいと思っている不自然な状態。そして心のうちを隠している自分に気づく。ひとりひとりが自分に素直になって、一歩踏み出す勇気が大切。そう感じられる映画です。やっぱり自然が一番いい。
0コメント